AI

LangChain

LLMを活用したアプリケーション開発を効率化するオープンソースフレームワーク。チェーン、エージェント、メモリ等の機能を提供。

LangChainとは

LangChainは、LLM(大規模言語モデル)を使ったアプリケーションを効率よく開発するためのオープンソースフレームワークです。2022年10月にHarrison Chaseによって公開され、Python版とJavaScript/TypeScript版が提供されています。GitHub上のスター数は8万を超え(2025年時点)、LLMアプリケーション開発のデファクトスタンダードとも言える存在になっています。

なぜLangChainがこれほど普及したのか。理由はシンプルで、LLMを「ただのチャットボット」以上の用途に使おうとすると、やるべきことが急に増えるからです。プロンプトの管理、外部データの取得、APIの呼び出し、会話履歴の保持、複数のLLMの切り替え——これらを毎回ゼロから実装するのは非効率です。LangChainは、こうした「LLMアプリ開発で必ず必要になる部品」をあらかじめ用意してくれています。

LangChainの主要コンポーネント

Chains(チェーン)

チェーンは、複数の処理ステップを順番につなげる仕組みです。たとえば「ユーザーの質問を受け取る → 関連ドキュメントを検索する → 検索結果を含めたプロンプトを作る → LLMに送信する → 回答を返す」という一連の流れをチェーンとして定義します。一度定義すれば再利用できるので、同じパイプラインを何度も書く必要がありません。

Agents(エージェント)

エージェントは、LLMが「次にどのツールを使うか」を自律的に判断しながらタスクを実行する仕組みです。チェーンが事前に定義された固定の処理フローであるのに対し、エージェントはLLMが状況に応じて動的に行動を決めます。「この質問にはWeb検索が必要だ」「このデータはデータベースから取得しよう」といった判断を、LLM自身が行うわけです。

Memory(メモリ)

メモリは、会話の履歴を保持する仕組みです。LLMのAPI自体はステートレス(状態を持たない)なので、「さっき話したことを覚えている」チャットボットを作るには、会話履歴を自分で管理する必要があります。LangChainのメモリモジュールは、会話履歴の保存、要約、ウィンドウサイズの管理など、さまざまなメモリ戦略を提供します。

Retrieval(検索)

LangChainはRAG(検索拡張生成)の構築に必要な機能も一通り備えています。ドキュメントの読み込み(PDF、Web、データベースなど多様なソースに対応)、テキストの分割、ベクトル化、ベクトルデータベースへの格納、類似度検索——RAGパイプラインの各ステップに対応するモジュールが用意されています。

LangChainの使いどころ

LangChainは便利ですが、すべてのプロジェクトで必要なわけではありません。単純なチャットボットであれば、OpenAIやAnthropicのAPIを直接叩くだけで十分です。LangChainが真価を発揮するのは、以下のようなケースです。

RAGシステムの構築: 社内ドキュメントを検索して回答するAIアシスタントを作るなら、LangChainのRetrievalモジュールが開発を大幅にスピードアップします。

複数のLLMやツールを組み合わせるアプリ: 用途に応じてGPT-4とClaudeを使い分けたり、Web検索やデータベースアクセスと組み合わせたりする場合、LangChainの抽象化が効いてきます。

AIエージェントの開発: ツールを動的に選択して実行するエージェントの構築には、LangChainのエージェントフレームワークが便利です。

一方で、「LangChainの抽象化レイヤーが逆にブラックボックスになって、デバッグしにくい」という声もあります。フレームワークの中身を理解せずに使うと、問題が起きたときに原因の特定が困難になることがあるので、基礎的なLLM APIの知識は持っておくべきです。

LangChainとLangSmith

LangChainの開発元であるLangChain社は、LangSmithというLLMアプリケーションの監視・デバッグツールも提供しています。プロンプトのバージョン管理、各ステップの実行ログの可視化、回答品質の評価など、本番運用に必要な機能を備えています。LangChainで開発したアプリケーションをLangSmithでモニタリングする——このセットが、現時点でのLLMアプリ開発の定番パターンになりつつあります。

関連サービス

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